開業から2カ月ですが、なかなか順調な立ち上がりですね。
おかげさまで、多くの患者さんに来院いただいています。患者さんは石神井公園駅周辺にお住まいの方が中心で、年齢的には乳児からご高齢者まで幅があります。そのため兄弟姉妹や、親子で受診される方も多数いらっしゃいます。当院の開院以前は、毎週の継続的な治療が必要な疾患にも関わらず、その都度電車を利用して、他の皮膚科に通院されていた方もいらっしゃったようです。石神井には保育園が多く、子どもに急な症状が現われたとき身近に相談できるクリニックができて良かったという声もいただいております。
クリニックの経営方針をお聞かせください。
一方通行の医療提供ではなく、地域患者さんが望まれるクリニック、スタッフの力やアイデアが存分に活かせるクリニックであるために、色々な方の意見を積極的に採り入れていきたいと考えています。当院は、まだこの地域に芽生えたばかりです。若木が大樹になり、やがて大きな森になるように、当院を地域の皆さんに愛されるクリニックに育てていきたいというのが、クリニック名の由来になっています。
先生から見た皮膚科医療の面白さは何でしょうか。
学生のころは内科志望でしたが、どうしても検査数値や画像に見入ってしまい、患者さんとの間に距離感が生じてしまうという葛藤がありました。それに比べて皮膚科診療では、医師が直接患者さんを直接見て触れて診断するなど、対面で直接治療することが基本です。そのため他の診療科と比べ、患者さんに親身になって接せられることに皮膚科の面白さとやりがいを感じています。
逆に皮膚科の難しさという点はどうでしょう。
同じ疾患でも、症状の捉え方には個々大きく差があります。そのため、どの程度の時間をかけてどこまで良くなるのか、見通しを立て丁寧に説明する必要があります。患者数と患者さん一人あたりに費やせる時間は反比例しがちですから、患者さんにいかに満足していただきながら、質・量ともに十分で正確な情報を伝えることができるかが課題と思います。
クリニックでは、自費の美容領域にも対応されるんですね。
皮膚科には、保険診療と自由診療が切り離せない領域が数多くありますし、加齢とともに女性を悩ます「しみ」「しわ」「たるみ」などは保険診療では治療が難しい部分もあります。クリニック経営の基盤を形成するのは保険診療だと考えていますが、患者さんの皮膚のあらゆる悩みにしっかり応えることも皮膚科医の役割と考えます。保険で治せる範囲、自由診療であればどこまでのことが可能なのかをキチンと説明し、理解を深めていただくように努めています。最新の技術と高い安全性を保ちつつ、美容専門ブースでプライバシーに配慮した施術を行っています。
今後、地域の関わりを深める上で、実践していきたいことはありますか。
最近、子どもを連れてキッザニア東京に行き、職業体験をさせているのですが、獣医や救急隊などはあるのに、なぜか医者がないんです。まだまだ妄想に過ぎませんが、折角広いスペースがあるので地域の子どもたちに医療の職場体験をさせられたらそれも地域貢献の一つになるかなと思っています。時間的な余裕ができたら、アレルギーに関する講演などを開催して、地域に開かれたクリニックにしたいとも思っています。
私ども日本医業総研は、小谷先生(飯田橋駅前さくら坂クリニック、小谷和弘院長)からのご紹介でしたね。
今回の日本医業総研の開業サポートはいかがでしたか。
医業総研に依頼する前に、数社の勉強会に出席し比較させていただきました。小谷先生からの紹介ということもありましたが、医業総研もっとも堅実で、担当の植村さん、加藤さんも誠実で実直な印象を受けました。結果的に医業総研で正解だったと思っています。
医療法人社団 伸緑会
森の宮皮フ科クリニック
理事長・院長 大垣 淳 先生
プロフィール
北海道大学医学部医学科 卒業
日本赤十字社医療センター 内科レジデント
東京大学医学部附属病院 皮膚科・皮膚光線レーザー科 医員
がん・感染症センター 都立駒込病院 皮膚腫瘍科 常勤
小児医療センター(埼玉) 皮膚科 常勤
東京大学医学部附属病院 皮膚科 助教