埼玉県越谷市に誕生したビッグニュータウン「越谷レイクタウン(イオンレイクタウンmori1階)」に開業されました、「越谷レイクタウン内科」藤本 まどか院長にお話をお聞きしました。
埼玉県越谷市に誕生したビッグニュータウン「越谷レイクタウン」。計画人口約2万2400人、JR武蔵野線には新駅も開設され、将来的には東京メトロ有楽 町線が延伸し、新たに駅も作られる予定だ。新駅「越谷レイクタウン」前には東京ドーム5個分の大きさがあるという、国内最大級のショッピングセンター (SC)「イオンレイクタウン」も開業。2008年10月のオープン初日には、なんと26万人が押し寄せ、大きな話題を集めた。
「SCの開業初日には、人ごみで気分が悪くなられたお客様が当クリニックに運び込まれたほどの大混雑でした」と院長の藤本まどか氏。
この新しい街の誕生と同時に、SC内に開業したのが「越谷レイクタウン内科」である。一般内科はもちろん、糖尿病を専門とする。子どもから高齢者までの 方々を対象として、地域に密着したクリニック、いわば「街のお医者さんとして、社会に貢献したい」という藤本氏の長年の夢が実現したクリニックである。」
■一生涯付き合えるコンサルタントを探し当てる
開業医の娘として育った藤本氏は、高校生の頃から医師になることを決意。そして実際に医療の現場で働くうちに、自分の思い描く医院を持ちたいと思ってきた という。ご主人と計画を話し合うも、なかなか好機は訪れなかった。さまざまな地域を回り、開業に適した場所を探しているうちに、ご主人が今のSCの立地や 計画の内容に大きな将来性を感じ、事業主体のイオンに医療機関の必要性を訴えたという。その結果、入居することができた。
「開業して本当に成功できるか、準備はどうしたらいいのか、10社以上のコンサルタントに相談しました。その中で日本医業総研さんとの出会いがあり、開業 後のサポートも含め、一生涯付き合っていける会社とし判断して、契約しました」と藤本氏。そしてこう続ける。「日本医業総研の小畑吉弘さんは私たち夫婦の 構想や計画をよく聞いてくださって、これまで関わった開業事例を、細かな具体的な数字を示しながらアドバイスしてくださいました」
この新しい街の発展は間違いない。そして地域に糖尿病専門のクリニックは数が極端に少ない。藤本氏の理想とする地域密着で地元の人々の信頼を勝ち得たら十分発展していける……小畑氏はそう確信して院長ご夫妻と綿密に事業計画を練ったという。
「今の段階では人口ベースは少ないため、来院患者数の予測が困難でした。事業失敗のリスクを軽減させるためには損益分岐点を低くすること、事業継続に必要 な運転資金を十分確保することが重要です。そのため本当に必要な投資しか行わない。2年間かけて収支バランスを図る事業計画立て、資金面での不安を感じる ことなく、腰をすえて患者様の満足度を上げていくことに力を注いでいける体制を作ることを強く訴えました」と小畑氏はいう。
■”一人ひとりを大切にするクリニック”が理想
天井の高さを活かした、広々とした待合室も好評。
■”一人ひとりを大切にするクリニック”が理想
藤本氏の考える、理想とするクリニックとは?と尋ねると明快な答えが返って来た。
「一言で言えば、『一人ひとりを大切にする』クリニックです。この言葉は私が学んだ中学・高校の校長先生が毎日繰り返し私たちにおっしゃった言葉です。私は医師として、1人の人間としてこの思いを大切にしてきました」
藤本氏の思いをまとめると次のようになる。第一には、当然のことながら患者一人ひとりを大切にすること。第二には、スタッフも一人ひとり大切な人間だか ら、スタッフも大切にする。三つ目は自分自身も大切な存在だから、家族も含めて心身とも健康でいられる体制を整えていくことにも心を配る。四つ目は、直接 接しない方々の表情を脳裏に描きながら、みなが幸せになれる治療を模索していきたい。
「この気持ちは開業前から、そして今も、今後も変わることはありません」と。
■チャンスを広げてくれた、人との出会いに感謝
人員計画からスタッフの募集、そして労務管理のあり方まで、小畑氏をはじめとする日本医業総研側 からの的確なアドバイスは大変ありがたかったと藤本氏。現在、スタッフは全員女性だという。糖尿病を専門に扱うので、当然ながら食事指導が欠かせない。そ のために専任の管理栄養士も常駐し、相談室も完備している。自分自身も含めて、クリニックを経営していくにはやはり女性ならではの苦労もないわけではな い。現在子どもと接する時間が少ないのがつらいとは思う。
「でも、資金の手当て等でも女性だからということがネックにはなりませんでした。小畑さんが適切に頑張ってくださいましたし、主人の力も大変大きかったです。感謝しています」と藤本氏は話す。
新しい街にオープンすることができた今、なんといっても”人との出会い”がチャンスを広げてくれたと思う、と藤本氏は実感をこめて言う。
「開業にあたって地域の大学病院やクリニックの先生たちにご挨拶にうかがったのですが、皆さん優しくて励ましてくださいました」
と藤本氏。そしてこう続ける。
「開業後、日本医業総研さんのご協力で作成したホームページで、大きな集患が図れることが分かりましたし、同じく同社が連携している会計事務所によるバックアップで、順調な滑り出しができています。安心して診療に専念できるのがうれしいですね」
「将来的にはSC内の店舗とも協力して健康な街作りに貢献したい」と夢を語る藤本氏の、スタートをきったばかりのクリニックがどんなふうに花開いていくか楽しみである。
藤本 まどか(ふじもと まどか)先生
ご経歴
平成9年 東京医科歯科大学医学部医学科卒業
平成9年 東京医科歯科大学第3内科入局、講座再編成に伴い現在は老年病内科に所属。
大学病院の他、東京都保健医療公社多摩南部地域病院、東京都立豊島病院といった地域基幹病院で糖尿病を中心に内科入院・外来診療に当たった。
平成17年より 大柏内科クリニックにて、こどもからご高齢の方まで、地域に密着した診療に従事する傍ら、平成18年より 東京歯科大学市川総合病院糖尿病外来の診療援助に当たり、平成20年10月 越谷レイクタウン内科開業。