2011年8月15日

独立を成功に導く開業指南 事例に基づく人材育成 第5回

求人告知の重要性

募集活動では地域を強く意識。その費用は投資と考え、再募集も辞さない覚悟を

「良い人材」は売り手市場

人材育成の入り口は求人である。
現在は求職難(買い手市場)といわれる時代でもあり、診療所の求人でも受付事務に比較的多くの人が応募してくる。
採用の事務局を務めている当社に送られてくる履歴書が200通を超えるケースも、珍しくなくなりつつある。
このなかから、6〜7人くらいを採用するわけだから、求人倍率はおよそ30倍。
しかし、実際に「良い人材」は一握りで、理想の人材を見つける難しさは基本的に変わっていないだろう。
要するに、「良い人材」については、現在も売り手市場というわけだ。
それでも選択肢を増やしておくために、多くの応募者を集めておくことが肝要といえる。

開業時こそ求人活動に尽力せよ

では、スタッフの募集活動において効果を高めるための具体的な方法を述べる。
一般的に、診療所は“地域密着型”であるため、募集活動は開業する地域を強く意識して行うことが基本だ。
開業地の近隣の人をターゲットにすれば、通勤にかかる交通費を節約できる。他方、自宅と職場が近距離であることは、
家事や育児もこなさなければならない女性にとって働きやすい環境となる。
雇用する側・される側の双方にメリットがあるというわけだ。
募集を告知する媒体も地域密着の観点から選ばなければならない。日曜日の朝刊に折り込まれる「アイデム」は、その代表格だ。
このほか、飲食店の店頭や駅に置かれている「タウンワーク」などのフリーペーパーも有効である。
掲載するキャッチコピーについては、できる限り新規開業やオープニングスタッフの募集であることを強調したい。
人は職場の風土ができあがっている場合よりも、新たな場所で新しい風土をつくっていくほうに、やりがいを感じるものである。
診療所も例外ではなく、開業時は数多くの応募者があったのに、年数がたつにつれて募集に対する反応が如実に悪くなるケースは珍しくない。
良い人材を確保するには、オープニング時の求人活動が大変重要になってくる。
その費用は投資と考え、ある程度のお金をかけて、より多くの応募者のなかから選択できるような策を講じるべきである。
もちろん、オープニングスタッフが自院のカラーをつくり、院内風土の醸成者となるのだから、募集の後の選考も慎重に進めていかなければならない。
決して妥協せず、1回の募集活動で納得できる人材が確保できなかった場合は、再募集も辞さない覚悟が必要だ。
次号では、応募者のなかから「良い人材」を見分けるために、特に面接におけるポイントについて、事例を交えて説明する。

植村智之 うえむら・ともゆき
株式会社日本医業総研東京本社シニアマネジャー。過去300件の医院開業を成功に導いた同社の創業メンバー。
自身も50件以上の開業に関与し、そのすべてが軌道に乗っている。スタッフのモチベーションアップ研修、労務トラブル解決対策などに定評がある

 

日本医業総研 お問い合わせはコチラ

(株)日本医業総研 人財コンサルティング部

東京都千代田区神田司町2-2-12 神田司町ビル9階

TEL03-5297-2300 FAX03-5297-2301

お問い合わせフォームはコチラ

お問い合わせ